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とりとめのない夢を見る。バロウズの小説のように夢の場面やイメージがくるくる変転する。その中に、少し嫌なものや、忘れていたもの、意識していないと思っていたけど実は恥ずかしいものが、ちらちらとあらわれる。
朝の街は休日かと錯覚するほど静かで、音がみんな水中のようにくぐもって聞こえる。目に入ってくるものはどれも空疎で、自分にはなにも関わりがないものだという印象が強調されていた。まるで、まだ今朝の夢の続きで、全てが嘘のようだった。
「いっそぜんぶ夢だったらいいのに」という言葉がにわかにぽっと頭に湧く。それをもう一度胸の中で繰り返してみる。するとおなかのあたりがふわりと疼いて、涙が出た。そして少し、ほがらかな気持ちになった。